さぁ!デッキの構想が固まり、デッキに必要だと考えられるカードがある程度決まったところでデッキを組む作業に移ってみましょう

カードが決まったのなら全部固めてデッキにすればOKってほど簡単ではありません
とりあえず、少しきつめの言い方になりますが、カードの束はデッキとは言いません
MTGのルールでは
総枚数60枚以上
基本土地カードを除く同名カードは一種四枚まで
この二つしかデッキに対してルールが定められていません
そうなるとかなり自由度の高い構築が可能になりますが
逆をを言えばきちんと考えて組まなければデッキとして高い完成度を得る事が出来ないのです

とは言っても、じゃあどう考えれば理想的な回転をするデッキを作る事が出来るのだろうという問題にぶつかってしまいますね
デッキを組む上で必要になるロジックとは何だろうという事をこれからいくつか紹介していきたいと思います

・確率について
デッキ総枚数の上限が無いのに対して、投入できる一種類のカードの枚数は制限されています
なのであれもこれもと詰め込んでデッキが膨れ上がってしまうと、必要な時に欲しいカードが引けないという状況に陥ってしまいます
デッキは60枚とルール上の下限ピッタリにして、理想のカードを手にする確率を最大限にまで上げましょう

土地の枚数はデッキの総枚数に対して35%前後、多くて40%あたりがおおむね理想とされています
60枚デッキならば20~24枚が良い感じであるという事ですね
初手の7枚ハンドに2、3枚の土地をキープしながら、それらを出し切る約3ターンの内に1枚また土地を引いてくる流れを掴みやすい枚数です
そうすれば序盤に安定してマナ基盤を整える事が出来るので、盤面操作が楽になります

こうしたマナ基盤の流れを考慮しなければ、せっかく考えたデッキの勝ち筋や理想のテンポを実現できません
マナが無ければ呪文は唱える事が出来ないので、土地枚数のバランスを考えるのはデッキの最重要事項であると言っても過言ではないでしょう
どうしても使いたいカードがあるけど、抜くカードが他に無いから土地を抜けばいいや、なんて考え方は御法度です
どんなに強力な呪文が手札にあってもマナ基盤が整っていなければ白紙を握っているのと同然です
土地の配分について、試行錯誤しながら自分なりの考え方ができるようになるまでは構築段階で安易にいじるのは控えましょう
10回も実際のゲームでデッキを回してみた後、ゲーム中の引きの感覚を考慮して減らしてみたり増やしてみる事が最初の内は良いでしょう
土地を引かなかったから負けた。土地ばっかり引きすぎて負けたなんていう言い訳をしない事です
そうした引かない、引きすぎといった土地事故はどんなデッキでも必ず起こり得る事ですが、あくまで事故の範囲内の話ですからデッキの強弱を左右する要因にはなりません
何度デッキを回しても発生する土地の片寄りは事故じゃありません

そうなるとデッキに入れられるスペルカードは10種類前後になりますね
サーチやドローの採用次第ではもっと多くなることも考えられますが、一種類当たりのデッキ内の枚数が少なくなるのでハンデスやカウンター、除去などの妨害を考えると、こうしたスペルの種類の多いデッキはキャストのタイミングが重要となります
プレイングの経験が浅い内はそういう構成のデッキは推奨しません


・スペル配分について
とりあえず入れられるカードの枚数がわかったところで、どういう風に呪文を構成していけばいいのかを考えてみましょう
あまり守備的な話は良くないのですが、生物がいないと相手の生物に好き放題にされてしまいます
ですから、こちらもクリーチャーか除去は積んでいないと些細なミスで致命傷を負います
相手も勝てるようにクリーチャーを選択しているわけですから、放っといていいクリーチャーなんていません
なので、この辺のカードはおろそかにできないですね
後は勝ち手段を補佐するカード群で埋めていいでしょう
クリーチャーと各種除去に5.5
残りを4.5の割合で入れてみるのがお勧めです
あくまで目安であり、勝てる構成に直結するものでもないので参考程度で構いません


・マナ域の配分
これは種類別の配分と違って参考程度どころではなく、とても重要な項目です
ほとんどのプレイヤーがこれに関して熟慮しながらデッキを構築します
一般的にこのマナ域の配分をマナカーブと呼びます
完全にマナカーブに則ったデッキを組む必要があるわけではありませんが、これを抑えない事には土地配分の調整も困難ですので、これがどんなものかを大体は覚えておきましょう

単純にマナカーブというのは点数で見たマナコスト別にその枚数をグラフ化したものです
毎ターン無駄なくマナを使うために、このグラフがなるべく美しい曲線を描くように調整するのです
無駄なくマナを使う重要性は、
マナ基盤の薄い序盤に重い呪文ばかりで動けない
土地を並べ終えた中盤以降に低コストの呪文を使っても相手のコストの高い呪文のカードパワーに負ける
という問題を解消するところにあります
マナが足りない状況は言うに及ばず、マナが余ってしまう状況というのも好ましくないのです
土地が複数枚並んでいるのに、1マナや2マナのクリーチャーを出しても、相手の5マナのフィニッシャー級クリーチャーが立ちはだかってしまったら押し負けてしまいますよね
極端な話をすればそういう事です
カウンターなどを構えるためにわざと余らせておくのも戦術の上ではありますが、ある意味でそれは使っているマナであるのでデッキ構成の上では、使われていない余ったマナとしてはカウントしません

例えば
1マナ域7枚
2マナ域12枚
3マナ域9枚
4マナ域6枚
5マナ域2枚
という構成のデッキはマナカーブが綺麗です

1ターン目には7枚の選択肢
2ターン目には19枚の選択肢と内7枚の中の組み合わせ
3ターン目には28枚の選択肢と内19枚の中の組み合わせ
と非常に良いテンポで動けますから、問題無くカードパワーを理想のタイミングで存分に発揮できます

悪い例も見てみましょう
1マナ域0枚
2マナ域22枚
3マナ域0枚
4マナ域8枚
5マナ域6枚

これはグラフ化するととてもいびつなカーブを描いているのがわかりますね
1ターン目に選択肢は無く
2ターン目には有り余るほどの選択肢が
3ターン目にできる事が2ターン目と同じなのにもかかわらずマナが余り
4ターン目でようやくカードの組み合わせを考慮しながらプレイできます
これではいくら強いカードを使っても、相手がそのマナ域の中で発揮できる呪文をテンポ良く刻んできたら押し負けてしまいます
また、使える呪文のキャストタイミングが重なっているのも問題です
壁クリーチャーを出すのと除去を使うのとが2択になってしまうと結局はどちらかが紙札になりがちです

勝ち手段のカードのコストが重くても
そうしたデッキは補助するカードの割合が多めになりますから、マナカーブ自体は補助のカードによって整えられている場合がほとんどです

特に僕のような序盤から中盤にかけてのビートダウンを重視するデッキを使う人間にとっては、テンポの重要性を優先しなければならない場面が必ずあるのでマナカーブの調整は大きな課題となります

ではこのマナカーブの理想形はどのようなものなのでしょうか
ものすごく大雑把に言えば、2マナ域か3マナ域にピークが来るように緩やかにカーブを描く形でデッキを組む
それだけです

しかし前述の通り必ず従う必要があるわけではありません
マナ加速や特定のタイミングでしか使えない呪文などの、デッキの性質そのものによっては減らしたり増やしたりするべきマナ域が存在します
コンボデッキなんかはマナカーブを無視しているものや独特のマナカーブを採用しているものも多くあります

とりあえずはエクセルでデッキレシピを書きだしてグラフ化すると非常に便利なのでテンプレを作っておく事をお勧めします
そうでなくともマナ域ごとに実際にカードを並べて棒グラフの代わりにしてみるのもいいでしょう



今日紹介した構築に必要な知識を使ってデッキを組むだけで
かなり潤滑に回転するようになると思います
既に組みあがっているデッキを持っている方もデッキ調整の際にちょっと見直してみるとまた違った構成案が浮かびあがる事もあります

初級者の方は何度もデッキを回して、枚数バランスを調整しつつ、土地比率やマナカーブと向き合ってたくさん悩んでください
悩めば悩むほどアナタの経験値はどんどん積み重なっていきます

僕も徹夜で100回以上ソリティア(一人でデッキを回す事の通称)をして
違うんだよなぁ、このターンにはできればこういう動きをしたいんだよ
このカードを使う頃には必要無いからコレは1枚減らしてもいいかな。ちょっと引きすぎる
両方手札に来ると大体いつもこっちを使うからもう一方は減らそう
などなど、うんうん唸りながらデッキを調整している時もあります

最初から完璧な配分のデッキは中々組めないものです
ある程度目安にそって組んだらとにかく一人ででもシャッフルとドローを繰り返してデッキの動きを確認してみましょう
それだけでプラスになるのです

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